2. 揚水式発電の基本原理
a. 水の揚水
・揚水式発電では、低い場所から高い場所に水を揚水します。これには主にポンプを使用し、エネルギーを消費します。
b. 水の保持
・揚水された水は高い場所にある貯水槽や貯水池に保持されます。水の重力ポテンシャルエネルギーがここで蓄えられます。
c. 発電タービン
・電力が必要な時、下降させることで水の重力ポテンシャルエネルギーを利用して発電タービンを回転させます。
d. 発電
・回転した発電タービンから発電機に連動して電力を発生させます。このプロセスにより水のエネルギーが電気エネルギーに変換されます。
e. 下降水の再利用
・発電が終わった後、下降してきた水は再び下部の水源や下水道に戻され、循環が継続されます。
3. 揚水式発電の構成要素
a. 揚水ポンプ
・揚水作業には水を上へと送り上げる揚水ポンプが必要です。ポンプは電力を必要とするため、安価な時や再生可能エネルギー供給の充実時に利用されます。
b. 貯水槽/貯水池
・揚水された水は高い場所にある貯水槽や貯水池に保管されます。これがエネルギーを蓄えるための基本的な構造となります。
c. 下降水路
・揚水した水は発電時に下降し、水路を通って発電タービンに導かれます。
d. 発電タービン/発電機
・下降した水が回転させる発電タービンと連動して電気エネルギーを発生させる発電機がシステムの一部となります。
e. 発電制御システム
・揚水式発電は需要に応じて制御する必要があります。電力需要が高い時に発電を行い、余剰の電力がある時に水を揚水するなど、制御システムが重要です。
4. 揚水式発電の利点
a. エネルギーの貯蔵
・揚水式発電はエネルギーを水の揚水として貯蔵できるため、需要ピーク時に安定して電力供給が可能です。
b. 再生可能エネルギー
・水力エネルギーを利用するため、再生可能エネルギーの一形態としてクリーンで環境に優しいです。
c. グリッドの安定化
・電力需給のバランスを保つため、発電制御システムを利用してグリッドの安定化に寄与します。
d. 高効率
・水の密度が大きいため、揚水時に多くのエネルギーを貯蔵でき、発電時に高い効率でエネルギーを抽出できます。
5. 揚水式発電の課題と注意事項
a. 建設コスト
・揚水式発電所の建設コストは高く、施設の整備や設備の導入には多くの投資が必要です。
b. 環境影響
・水源の揚水や下降時に生じる環境への影響が懸念されます。生態系への影響や水質への影響に対する検討が必要です。
c. 適地選定の難しさ
・適切な地形や水源が必要であり、適地選定が難しい場合があります。
d. エネルギー損失
・揚水から下降までの間にエネルギー損失が発生するため、効率的なエネルギー回収が求められます。